日曜日の昼下がり、ソファーに座ってコーヒーを啜りながらくつろぐ瞬間、心地のいい、とてもリラックスしたそのとき、突如頭の中をこんなフレーズが駆け巡ることがありませんか? ♪んちょーでんーじよー!よー! んちょーでんーじ た!つ!ま!きー! んちょーでんじすぴんっ! 私はあります。一度現れるとその後、ゾンビのように何度も何度もよみがえり、場合によっては口ずさんでしまうという恐ろしい副作用もあるため、重要な会議中など、そうした発作がおきないよう、大岡越前のテーマを頭に巡らしてガードに入るわけですが(口笛主体なので。さすがに口笛は意識しないと吹けない。)、一瞬の隙をついて、妙に軽快なメロディーを伴って、 ♪しーんちょおーごっじゅうななめーえとる たーいじゅっうーごひゃくごじゅうっとん と、日本で最も広く知られているという噂の(しかも身長のわりに体重が異常に少ないことで有名な→注1.)キャラクターのスタイルをを思い出してしまい、努力が水の泡になってしまうことはありませんか?私はあります。 この、突発性超電磁症候群(私だけか)の原因となる番組こそ、あの、「コンバトラーV」。この文章を書くために、私は、テーマソングを5回ぐらい聴きまして、仕事に支障が出るほど頻繁に、発作に襲われるようになってしまいました。 有効な治療法を知っていらっしゃる方、ぜひ、かえるクラブまでご連絡ください。よろしくお願いします。 ![]() キャンベル星というところからわざわざ地球くんだりまで侵略にやってくる司令官が入れ替わる後半に入って、エピソードをふくらませるためにかどうなのか、南原コネクション(コンバトラーVの基地です。念のため。)に雇われたコックの一家というのが登場します。一木(いちのき)一家→注2.。こんな人里はなれた基地で、住み込みのコックをやろうというこの一家には、金太と知恵という兄弟がいて(学校などどうやって通っているのかはまったくの謎)、この2人のペットが、何を隠そう“ケロッペ”という名前のかえるなのです。 ![]() ![]() ![]() が、しかし、この、金太と知恵が作ったマシンは、当クラブがもっとも注目する逸品のひとつ。その理由は、次の回、第30回「珍メカケロット大殊勲」を観ればわかります。 ![]() なんとかドライヤーで乾かしてごまかそうとする小介ですが、そのシーンを、いつの間にか入り込んでいた金太と知恵に見られてしまいます。二人はこの件をネタに小介を強請って、前回29話で二人が作ったマシンの改良をさせることに。 ![]() まず、操縦席は、胴体部と顔面部にそれぞれひとつずつあり、胴体部が推進担当、顔面部が攻撃担当のようです。胴体部には鍵盤と、あの船の舵のようなハンドルがついており、鍵盤を押すことでケロットがジャンプします。ハンドルはおそらく、方向転換用なんだと思うのですが、進むときには、鍵盤をおすことにかかりっきりになってしまうため、このハンドルを持つ人は誰もいなくなってしまいます。じゃあ、そのときだけ二人がかりでやればいいかというと、前方を監視するための潜望鏡は顔面部でしか見ることができないため、一人はそっちにいなければならず、二人では荷が重い構造。ただ、かえるのケロッペがいるので、なんとかなっているようです。 ![]() ![]() 攻撃担当の顔面部は、頭部の上部にある“眼”を通して外の様子を確認する潜望鏡と、小介が取り付けた3つの武器を発射する機構が入っています。その武器とは・・・
以上です。こういった武器を、狙いをつけて使い分けるのが、攻撃部の作業になります。 この回のマグマ獣は、ブルンゲンという地震をおこしたり等、振動を武器にする敵で、その振動は、すべての分子の結合を破壊するという、振動している本体自体は大丈夫なのか?という疑問を感じずにはいられない、強敵でした。 ![]() ケロットはかなり小さく、攻撃力もないので、ブルンゲンを操縦しているダンゲル将軍→注3.は、ケロットのことにまったく気がつきません。ガムガム弾を発射しても、すべて跳ね返って自分の顔にかかってしまい、業を煮やしてジャンプ攻撃を試みることにします。しかし、ケロットのジャンプ力は、ジャンプ操作用の鍵盤を押す強さに比例するらしく、知恵がいくら力いっぱい押してもその場ではねるだけで攻撃になりません。そこで、椅子を鍵盤にたたきつけると、ケロットは大ジャンプ!ブルンゲンの操縦席付近に顔から落下して、顔についていたガムで、ブルンゲンにくっついてしまいます。 ![]() この、ケロットが大活躍する話はもうひとつあり、第44話「見事!ケロット撹乱戦術」がそれ。 ![]() ![]() さきにマグマ獣と遭遇するコンバトラーVですが、今回のマグマ獣マザーンには秘策がありました。まず、胸から自動操縦の円盤を多量に出し→注4.、コンバトラーVがその相手をするのに手一杯なところへ、鋭い爪を伸ばしてひっかき、コンバトラーVのボディに傷をつけます。そして、すかさず毒ガス攻撃。ボディの傷から操縦席にガスが流れ、コンバトラー隊は全員昏睡状態になり、操縦不能になってしまいます。作戦大当たり!ということで、コンバトラーVにとどめを刺そうとするマザーン。しかし、そこに飛び込むケロット! ![]() 追い詰められたケロットが、まさに捕まろうかというその瞬間、回復したコンバトラーVが登場。しかし、ボディの傷を修復する暇がなかったため、今度毒ガスをくらったら最後、という状況。コンバトラーVにとって非常に好都合なことに、地獄谷というのは、地形等の関係で、いつも決まった方向から風が吹きつづけているところ。風上に立ってピンチを切り抜ける。一方、マザーンの方にも切り札があり、なんと分身の術を使う。どれが本体だかわらかないまま周りを囲まれるコンバトラーV。普通考えれば、ここですぐ毒ガスを出すのがもっとも効果的な戦略だと思いますが、キャンベル星人の考えることはどうも違うらしく、「わっはっはっは、これからだぞコンバトラーV」とか言ってます。 ![]() ここまでケロッペというかえるキャラ、ケロットというかえる型ロボを紹介しました。これだけでも十分にかえる度が高い番組といえますが、ダメ押しにもうひとつ、敵のかえる型マグマ獣をご紹介しましょう。第38話「ロペットは蛙が苦手!」 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 超電磁竜巻から超電磁スピンの定番連続技で終了となりました。で、しばらくロペットはかえるが苦手になりましたとさ。めでたいかどうか。 今まで見てきたように、コンバトラーVは実は蛙がメインの番組である、といっても過言ではないのではないかという無理やりのまとめをもって、今回は終了。 仕事中、コンバトラーVの主題歌を思い出す症状に悩まされているかた、この病気はしつこいです。気をつけましょう。 注1.例えば、コンバトラーVを、身長57mからかなり大きめの人間並み190cm(30分の1)に縮めたとしたら、体積は27000(30の3乗)分の1になる。密度が変わらなければ、体重は、550tの27000分の1で、約20kg程度。 注2.木兵衛、百恵、金太、知恵。金太の声はいなかっぺ大将で、知恵の声は、できるかなのナレーション。 注3.後半の敵陣営は、女帝ジャネラを筆頭として、メカ・作戦担当ワルキメデスと戦闘・実行担当ダンゲルの3人組。何となくヤッターマンの、ドロンジョ、ボヤッキー、トンズラー(どのタイムボカンシリーズでもいいんですが)っぽい雰囲気がただよっており、とくにワルキメデスとダンゲルの兄弟げんかはルーチンギャグのような趣あり。 注4.ここで、「一見アドバイスのようにみえて、何の役にも立たない分析」の見本が示されます。円盤を見た小介の言葉。「気をつけてください。円盤はばらばらに動いているようですが、計算されたまったく無駄のない動きをしています。」って何に対してどういう目的を達成することに対して無駄のない動きをしているのか、そのあたりのコメントがないので、いったいこの言葉を聞いて、何をすればいいのか。説明しているようで何も説明していない。 注5.ケロットが噛み付き攻撃をする際には、口に相当する部分に歯、というかギザギザの牙のようなものが生えていた。ボスボロットでもそうだが、低予算で適当に作られたロボットほど、妙に生物チックで豊かな感情表現ができ、実現可能性から言うと、ずっと高度な技術が必要に思える。 注6.リモートコントロールができるんだったら、何でわざわざ人を乗っける必要があるのか、なぜ、もっと以前にリモートコントロールしなかったのか等の疑問がわきますが、そもそもなんで最初5つに分解していて、後でひとつにしなければいけないのかという根本的な疑問にはかなわない。 注7.ケロットの移動方法が、ジャンプだけで、しかもサイズが非常に小さいことを考えると、対して基地から離れた場所とは思えないが、海がそばにあって、森がそばにあって、しかもそんな恐ろしいところもあるということは、日本のどこに基地があるのか興味深いところ。 注8.古典的なタイプのロボット。コンバトラーVが合体するためにはどうしてもロペットが必要らしい。なんかの電波を受けながら目を光らせて「コンバインおっけー」って言ってるだけのような気がしますが。 注9.このフロッギーの目から出るレーザーと、Vレーザーの押し合いシーンが見られます。レーザー光線というのが互いにぶつかった場合、本当に押し合いになるのかと考えると何と言っていいのかわかりませんが。 |