忍者戦隊カクレンジャー

〜 ヒーローメカ・ゴッドガンマー 〜


◆ TV特撮ヒーローものには、戦隊ものというジャンルがあります。特に東映戦隊ものといえば、「ゴレンジャー」から綿々と受け継がれて、いまだに新しいシリーズが作られている、ある意味長寿番組です。

TITLE ◆ その中の一本、「忍者戦隊カクレンジャー」。忍者の子孫が「カクレ(隠れ)ンジャー」として妖怪と戦うお話。
 レッドではなくホワイト(女性)がリーダーというのは新しい試みでした。
 メンバーは、ニンジャレッド⇒猿飛佐助の子孫サスケ、ニンジャホワイト⇒鶴姫(これはオリジナル?)、ニンジャブルー⇒霧隠才蔵の子孫サイゾウ、ニンジャイエロー⇒三好清海入道の子孫セイカイ、ニンジャブラック⇒児雷也の子孫ジライヤ。

◆ さて、カエル好きなら「ジライヤ」と聞いてピクッと耳が動くのではないかと思います。
 何といっても歌舞伎で児雷也といえば、口に巻物くわえて大蝦蟇に乗って登場するもんでしょ?当然、このシーンを期待するのがものの道理というものです。
 と思ったら、やっぱりいました大蝦蟇。中盤以降、それぞれが「超忍獣」という獣(メカ?)を手に入れますが、ニンジャブラックのメカはガマガエル型の「ゴッドガンマー」。 どうもガンマーというと、蝦蟇より悪魔くんに出てきた「ガンマー(眼魔)」をイメージしてしまいます。
      (こんなの)⇒AKUMA GANMA
 その他、「ブラックガンマー」、「バトルガンマー」というのは最初の方に出てくるようですが、未見です。(顔が蝦蟇らしい。)


 では、基本のおさらいが済んだところで、ゴッドガンマーへの道のり、始まり始まり〜

◆ 妖怪大魔王の復活を阻止するため、新たな力を必要とするメンバーは、それぞれが「忍の巻(開くと超忍獣が出てくる)」を探す旅にでます。レッド、ホワイト、イエロー・ブルーの順にきて、ブラックの番になります。「忍の巻」を取るためには、その前に各々試練があります。サスケ(レッド)は案内役の蝶の精の死に直面、鶴姫(ホワイト)は仲間を見捨てて目的に向かう非情さを求められ(結局できない。「できない」が正解というパターン)、サイゾウ(ブルー)、セイカイ(イエロー)は、妖怪「屁のカッパ」に変えられ、「相手を殺せばもとに戻る」と友情を試され・・・。

◆ 最後に控えます大物、まだほとんど日本語がしゃべれない時代のケイン・コスギ扮するジライヤ(ブラック)には最もハードな試練が降りかかります。ジライヤは父親とアメリカに渡り、父はそこで殺され、父の親友であった「ガリ」に育てられた過去を持っています。その育ての親であり、空手の師である「ガリ先生」が、妖怪の仲間としてジライヤの前に立ちふさがります。
 ウォーズマンかバルログか、はたまたフリッツ・フォン・エリックか(これはちょっと違うか。)というような鉄のツメを武器に、ジライヤに襲いかかるガリ。この「ガリ先生」何を隠そうあのハリウッドスター(?)、魔術と忍術の区別もつかないアメリカ人の偏見にもめげず、敢然と日本文化の普及とその誤解に貢献している「ショー・コスギ」。コスギ親子の競演です。28話のタイトルは「超大物・来日!」だし。

◆ 恩師と戦うことをためらうジライヤ。しかし、ガリの鉄のツメを見、それが自分の父を殺した相手の武器であったことを思い出します。なんと、恩師は父の敵だったのです。

TOSSIN ◆ こぶしを振り上げて突進するジライヤ。つづく。・・・。「かえるクラブ」管理人は、ゴッドガンマーを見たいがためにレンタルビデオ屋でカクレンジャーのビデオを借りたのですが、ビデオもちょうどここでつぎの巻へ。いやー商売人ですな。

◆ つぎの29話、「史上初の超対決(スーパーバトル)」。その名のとおり、2人の鍛えぬかれたアクションが展開されます。2人とも英語な人なので、日本語の芝居はちょっときついものがありますが、動きは流石。しかし、流血の演出は、子供番組とは思えないハードさで、ケインの回し蹴りがショーの顔面にヒットしたときに、ショーが噴水のように口から血を噴出すシーンは「節度」(というか「限度」)という言葉の大切さを実感できる絵です。

GARI ◆ ジライヤはガリを圧倒し、鉄のツメを奪うとそれを使ってガリにとどめを差そうとしますが、できません。
 倒れたガリは、真実を語りはじめます。ジライヤの父を殺したのも、今回ジライヤを襲ったのも、すべて妖怪ヌエが仕組んだことだったのです!「お前に倒されることを望んでいたのかもしれない」と言って微笑を浮かべて逝くガリ。泣き叫ぶジライヤ。こみ上げる妖怪ヌエへの怒り。

「でとぅぇくぃ、ぃおうくぁいにゅうぇ!」

 どうしてもこのように聞こえます。日本語はまだつらそうです。

MAKIMONO ◆ さて、妖怪ヌエが登場します。ジライヤとサスケはスーパー変化して、カクレンジャーになりますが、ヌエは最初から巨大化し、歯が立ちません。
 しかし、ジライヤの怒りが頂点に達したとき、ジライヤの忍の巻が飛んできてジライヤの手に渡ります。ついに「ゴッドガンマー」の登場です!
 ジライヤが巻物を開くと稲妻とともに登場するガンマー。


GODGAMMER


GAMMER



・・・・・・・・?
IDO  間抜け。非常に間抜け。前半のシリアスさを吹き飛ばす間抜けさ。ビルの谷間をジャンプしてゆくその姿は、「ヒーローの移動方法として間違ってる」と言わざるを得ません。
 やってきたゴッドガンマーの上にジライヤが乗り、ちょっと歌舞伎っぽいな、と思ったその刹那、ゴッドガンマーのはじけた技が炸裂(同語反復)します。

kogaeru ◆ 口を開け、舌がスロープのように伸びていきます。(嫌な予感。)。舌が地面に到着、その舌に沿って下りてきたのは沢山の小さなカエルロボ!おのれはヤッターワンか!と突っ込みたくなるような子蛙軍団は、妖怪ヌエに取りつき大爆発を起こします。そういえば、タイムボカンシリーズ「オタスケマン」には「オタスケガエル」というメカがありましたね。それはさておき、すかさずガンマーファイアー!猛烈な火炎を吐きます。

GATTAI ◆ その後他の仲間も自分の超忍獣で助太刀し、見事妖怪ヌエを倒したのです。めでたしめでたし。
 31話から、ゴッドガンマーは、巨大ロボ「隠大将軍」の右足に安住の地を見つけ、毎回合体に向かってジャンプしている姿を垣間見るだけとなりました。

 カエルをモチーフにしたヒーローメカは珍しいと思われます。ぜひご自分でもご覧ください。入手も簡単だと思います。レンタルビデオ屋で借りるなら、7巻と8巻に、紹介した話が入っています。全部見れば合計4時間程度の暇つぶし。いかが?


○ お ま け ○

 カクレンジャーの1本前の作品「五星戦隊ダイレンジャー」というものがある。
 この作品の第2話に「がま口法師」なる怪人が登場するとの情報をキャッチしたわれわれ「かえるクラブ」取材班は、早速レンタルビデオ屋におもむき、調査資料の確保に乗り出した。
 極秘情報であるためか、他のカエラーと競合することはなく、「貸出中」の札はついていなかったことから、1週間の持ち出し申請を行った。
 われわれ取材班は、入手したビデオをチェックすべく家庭用VTR再生装置を準備、慎重に再生、モニターに映し出される画面に注視していたそのときっっ!
 われわれの前に信じられない光景が映しだされたのであるっっっっ!


GAMAGUTI


「財布やないけええええっっっっっ!」

おしまい。