2004年年賀状 | |
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「えーっと、これは今年の年賀状だよね。」 「そうそう。」 「申年だったよね。」 「そうそう」 「・・・・ひっじょーに基本的な質問をさせていただきますけど、何この絵?」 「何って言われてもねー、猿と蛙を並べたわけですよ。」 「いや、それはわかりますが。厳密に言うと、この原始人ぽい絵が猿に見えるかどうかについては、結構疑問もあるんですけどもね。そういう問題ではなくて、背広を着た蛙を中心に、ドレスを着た猿を両側に配置するその構図の意味がね、不明。」 「こーゆーものに意味も何もないでしょ。」 「意味、っていうかね、意図というか、発想のもとというか、とにかくどういう思惑がこの中に含まれてるのかわかんないと、漠然とした不安が襲ってきそうじゃないか。っていうか、すでに襲われてんだよね。」 「ああ、そういうことだったらモデルはあるんだけど。」 「なになに?」 「シカゴってミュージカル映画があったでしょ。あれ。」 「え?何?リチャード・ギアのつもりかこれ?」 「・・・・そうだけど。」 「で、こっちの白い服がキャサリン・ゼタ・ジョーンズで、黒い服がレニー・ゼルウィガー?視力が大分弱ってるみたいだな。」 「・・・・中国雑技団なのか染之助染太郎なのかすらわかんない絵を描いた人に言われたくないけど。」 「うるさいな。近未来の無国籍なネオトーキョーに夜な夜な出没する仕置人の仮の姿なんだよ。傘から針とかでんだよ。」 「皿は?」 「・・・・・刃が仕込んであってフリスビーみたいに飛ばす・・・」 「もうちょっと考えてから話した方がいいと思うけど。」 「・・・・はい。」 〜かえるクラブにおける会話の一こまから〜 |