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蛙食文化 −法龍寺「食用蛙供養塔」−


■ 食用蛙供養塔参り ■



 さて、憐れなウシガエルを供養する、その素晴らしい場所を一目みなければ、ということで出かけてきました。場所は、江戸川区にある「法龍寺」というお寺。


<現地まで>



船堀駅  都営新宿線で、新宿駅から約30分、船堀駅で下車します。改札は一つなのでここで迷うことはありません。改札を出ると、南口と北口がありますが、改札を出て左、南口から出ます。(→)





江戸川区民センター (←) 北口に行ってしまうと、計画当初はバブル真っ盛りだったに違いないというような、展望塔がついてるふざけた(?)建物「江戸川区総合区民ホール」がありますので、そっちじゃない方が正解です。




道順その1  駅前はロータリーになっており、バスやタクシーがいっぱいいます。タクシーに乗って「法龍寺まで」といえば簡単ですが、もったいないので歩きましょう。10分かかりませんから。左に向かってください。「船堀歯科」というプレートの付いたビルが見えますので(写真でいうと、左端にちょこっと写っているビル)、そこを左に入ります。(→)





道順その2 (←) 後は、ひたすらまっすぐ進みます。途中、AMPMが見え、一時停止の標識がありますが、構わずどんどん直進してください。(いや、車には気をつけてくださいね。)





道順その3  今まで直進してきた道がつきあたったところで右に曲がります。(→)曲がってすぐの最初の信号で左に曲がり、後は直進していると右手に保育園が見えてきます。それが法龍寺の運営する保育園です。その先に「法龍寺」の裏門があります。
 墓参りの場合はそこから入ればよいのですが、供養塔を見るためには正門にまわらなければなりません。もう少し直進して、突き当りを右に入ると、目指す「食用蛙供養塔」があります。

<到 着!>


門前碑 (←) ついに到着しました!法龍寺。

山門  山門です。なかなか歴史ありそうな門構えになっています。食用蛙供養塔はこの山門外脇にあります。(→)
 この写真ではカットしていますが、山門前には大きな乗用車が停めてあり、えらい邪魔。そんなこといえた義理ではないけど・・・。

供養塔全景 (←)
 これが、「食用蛙供養塔」!・・・・うーん。トタンの壁を背景にして、なんとも地味に立っています。一応花はまだ枯れていないし、それなりに供養はされているのでしょうが・・・。そもそも字が消えかかってるし。(→)もうちょっとドカン、と立っている姿を想像していました。
 建立した年でも分らないかと思い、塔の裏を眺めてみると、そっちはもっとひどく欠けていて、「昭和」という字以外なくなってしまっています。
供養塔=文字
供養塔=蛙  でもよく見ると碑には蛙のマークも入っている!・・・・でもこれも消えかかってるなあ。
こんな感じでした
図

看板  何か、来歴でもわかるものは、と思って探してみると、昭和50年代に江戸川区が立てた説明用看板が側にありました。全文を引用します。(縦書で読みたい人は、画像をクリックしてください。文字が読める程度まで大きくなります。)
史 跡

   法竜寺

 浄土宗で幸雲山道観院と号し、徳川家康江戸入府に当り京都智恩院より遣わされた雲誉道観上人によって、慶長年間(一五九六−一六一四)に開山された。本尊は阿弥陀如来像である。
 参道には明治初年私立大岡学校を設立した大岡勇喜先生の碑があり、墓地には北辰一刀流の剣士といわれる北島桃源の墓がある。


   食用蛙供養塔

 本寺山門前にある。食用蛙は昭和の初め頃から区内に生息するようになり、池沼や蓮田、水田などが多かったので自然に繁殖を続け、輸出する程に至った。当時は都条例で捕獲は許可制となっていたが、終戦後はこれを捕え加工業者に渡して生計を保つものも現れた。
 この供養塔は、東京都食用蛙組合によって、昭和二十七年に建立された珍しいものである。

   昭和五十二年十一月

   江戸川区教育委員会
※ 法“竜”寺となっているのは原文のままです。こんなものまで新字体に統一しなくてもと思いますが。

 すいません。徳川家康以外名前知りません。大岡先生も、北辰一刀流の剣士も知りません。ごめんなさい。って誰に謝ってんだか。
 東京都食用蛙組合はまだあるのかなあ。多分ないだろうな。いや絶対ないな。とするとこの供養塔の管理は誰がすべきでしょうかね?
 「史跡」と銘打つくらいだから、やっぱり江戸川区がきちんと保存に乗り出すべきでしょう。珍しいものならもうちょっとねえ。何とかしてください。もう字が消えるのも時間の問題だって。看板だって字が消えかかってるくらいだから。重文指定とかどうでしょう?



■ 見学を終えて・・・ ■

 見学に行かれる方、もちろん止めはしませんが、当「かえるクラブ」は一切この史跡に関わりはありません。文句を言いにこないでくださいね。勧めてませんよ。

 ウシガエルの不遇を慰める供養塔。その精神は“崇高”。われわれも、その“精神”を引き継ぎましょう!
(了)
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