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蛙拳奥義の書

 ※ 引用文中、文字フォント、文字色等を変更して強調している部分は、当サイトで付したもので、原文とは関係ありません。

■ 少林寺蛙拳 ■

 70〜80年代カンフー映画、特に、ジャッキー・チェンが出ていた映画を見ていた人は結構多いと思います。蛇、猿、虎、豹、鷹、龍、鶴、蟷螂、燕、いろんな動物が拳法の中に表されていて、蛇拳など、未だによく真似してしまったりとか。
 さて、こうやって上げていった動物の中に、「蛙」を入れることができるでしょうか。少なくとも、管理人 は、知りませんでした。でも、(どんな状況かはよく分からないけどとにかく)周りを敵に囲まれて、(なぜ そうしていたかはわからないけどとにかく)普段隠していた真の実力、「蛙拳の達人」という事実を明らかにし、流れるように華麗な蛙拳で敵をバッタバッタ・・・という展開は、蛙好きにとって究極の夢といっても過言ではありません。(管理人だけ?)

 しかし、蛙は一応肉食動物ではあるものの、鋭い爪や牙があるわけでもないし、せいぜい後ろ足のキック力ぐらいしか、攻撃に使えそうにないし、きっと蛙拳なんてないんだろう、と思っていました。(一度、「燃えよデブゴンカエル拳対カニ拳」という映画に期待をかけたことがありましたが、結果は散々。その辺りの状況は、かえる先生の映画紹介コーナーで。)

 しかし、最近になって、その辺りの認識を一変させる情報が判明。嵩山少林寺の日本支部というところのウェブサイト(http://www2.ocn.ne.jp/~bujutu/)を何げなく眺めていたら、本場中国少林寺への遠征記があり、向こうで披露された演武の中に、「蛙拳の演武」があったとの記述を発見しました!何と、本場中国の少林拳に「蛙拳」がある、という衝撃(?)の事実が明らかになったのです!

 これは何としても目にしたいところです。でも、中国に行くお金はありません。どこかに少林武僧のパフォーマンスを記録した映像はないものか・・・。

Wheel of Life  そう思って探すと、今の世の中、探せば何でもあるのかと驚いてしまうおあつらえ向きのビデオを発見。 「生命の輪」という本物の少林武僧が出演するというふれこみの音楽劇の舞台を収録したものだそうで、もちろん演武もたっぷりあるとのこと。蛙拳の演武まであるかどうかはわからないものの、早速購入。

 届いた日に早速確認してみると、前半は音楽劇、後半は、ちょっと電撃ネットワークの入った、針山の上に寝っころがって、上から重そうな石をおいて、ハンマーで割るとかそういう大道芸風パフォーマンスといった舞台でしたが、肝心の蛙拳は・・・・・あった!ありました!象形拳「蛙」の演武が!

 では、演武の模様を一通り見てみましょう。
まず、基本の構え(?)は地面にぴったり腹這いになるような姿勢になります。この人の癖なのか、それともそういうものなのか、口を膨らませています。肩から上の部分を左右に揺らし、蛙がきょろきょろとしている様子を表しているようにも見えます。 構え1
透明な板の下から撮影した構えの様子。蛙っぽいです。 構え2
1の構えから一気に飛び上がり連続してバック宙を行います。着地の時の姿勢は、その場にしゃがんで手を付く低い姿勢なので、高低差が大きく、非常に見栄えがします。回数も半端ではなく、6回ぐらい連続してました。 バック宙
これからが非常に特徴的な動きになります。「かえるジャンプ」といいますか、その場フロッグスプラッシュのような動作です。
しゃがみ込んだ姿勢から
ジャンプ1
かなり高いジャンプをします。 ジャンプ2
ジャンプの最高点で、手足を前後に伸ばします。 ジャンプ3
この画像は、バック転ですが、着地は、手から海老ぞりになった身体に沿って、滑らかに転がるように行います。 バック転

 動作は全部でこれくらいです。しかし、こうやって見ると、攻撃に役立ちそうな動作がまったくないことがわかります。これじゃあ悪人をバッタバッタというわけには行きません。(まあそもそもバック宙なんか出てくる時点で挫折決定な訳ですが。管理人の場合。)
 攻撃を避ける、という点では多少意味があるかもしれませんが、それほど効率的に避けられるとも思えないし。ということで、この動作にどんな意味があるのか、最初に戻って嵩山少林寺のページ宛にE-mailで問い合わせをしてみました。(具体的には「蛙拳について知ってることがあったら、どんなことでもいいから教えて欲しい」という趣旨の問い合わせをしました。)
 こんな不躾な質問に対して、ありがたいことにとても丁寧な返信がありました。武術をやる人は一味違います。抜粋してご紹介しますと、

(どんな拳法なのか)
姿勢ですが、蛙のように地面に腹ばいになっていたように思います。
足も膝が地面につくようになっていました。
蛙のように前進、後進するのですが、そのスピードは非常に早かったです。
立ったり、座ったりという動作はなかったと思います。
特に印象に残ったのはそのジャンプです。
ジャンプの高さが1m以上(1m40cmぐらいかな)あるのです。
あの態勢から、ジャンプするのは驚きです。これを何度か繰り返します。
しかも着地は必ず蛙のように地面に腹ばいになっています。
そのスピードは、バレーボールにおいてレシーブするとき胸から飛びこんでいくのを連続するようなタイミングでした。
また、ジャンプしたときの姿勢も左右の足がきれい伸びて同時に開いていました。

(どんな意味があるのか)
この型は、呼吸法、背筋、そして心体の同一の訓練だそうです。
非常に低い態勢から、ジャンプするので、基礎体力、柔軟性以外にも「心と体の一体」が非常に重要になるそうです。
ジャンプの高さを出すこと、蛙のように足が伸びきること、着地の姿勢などは、見た目よりも難しいとのこと。
姿勢がこのような姿勢であり、連続したジャンプもあるので呼吸も難しいとのことでした。
とのこと。となると、戦闘という目的には使えない、鍛錬用動作ということになります。うーん。「蛙拳でバッタバッタ」は夢また夢なのか・・・。
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