![]() この不思議な「黄帝」の正体は、ユンケルの公式(?)サイト(http://www.yunker.org/にあります。FAQのコーナーがあるのですが、この中に、「Q.「ユンケル」ってどういう意味?」という質問に対する答え。 A.語源はドイツ語のユンカー(JUNKER)、「貴公子」という意味です! ドイツ語が語源で「ユンカー」だって言うんなら、なんでわざわざ「ユンケル」としたのか、という重要な疑問が残ります。ただ、今回注目する点はそこではないので軽く流しておくとして、「黄帝」がなぜ「皇帝」ではないか、ということは比較的明確に書いてあります。 「黄帝の語源は古代中国の権力者である医学の祖にちなんでつけたもの」だとか。でも、「古代中国の権力者である医学の祖」って何か変な言い回しですよね。何か「古代中国の権力者である」医学の祖や、「中世イギリスの騎士である」医学の祖や、「秋田の山奥で猪狩りを生業としていた」医学の祖なんかが沢山いて、その中の、という感じがします。「古代中国の権力者で、医学の祖といわれる黄帝にちなんで」とするべきかと。「古代中国の権力者」というのもずいぶんとアバウトな話ですが。 じゃあ、「黄帝」ってどんな人なのか。ここは人の力を借りましょう。「狂仙堂」というサイトの「三皇五帝関連人物リスト」の「黄帝」は、とても簡潔、丁寧に纏めてあって、有りがたい限り。 詳しくは、そちらを参照していただくとして、一部を引用しますと、 姓は公孫、名は軒轅。姓は姫姓ともジ([女以])氏とも言われ、また帝鴻氏とも呼ばれる。「古代中国の権力者」というより、ほとんど神のような人ですね。伝説上の名君、尭、舜よりさらに前の人で、「中華民族の祖」だというのですから。 この「黄帝」は、神農という、医学の神(特に漢方)の子孫を倒し、天子となっており、医学を神から人間のものにしたという意味でしょうか、「医学の祖」ということになっているようです。 中国最古の体系的医書は、「黄帝内経」と呼ばれています。これは、「素問」と「霊柩」の通称ですが、両書とも、大部分が「黄帝」とその臣下の岐伯らとの問答形式で書かれています。まあもちろん医学の祖としての黄帝の名前を使った後世の作だといわれておりますが、それでも、秦、漢の時代には形になっていたそうですから、中国の歴史の深さを感じさせます。 さて、我がかえるクラブがなぜ、こんなところで古い中国の医書の話をしているのでしょうか。黄帝なんて一体何の関係があるというのでしょうか。 その答えは、この「黄帝」の名前を関した、鍼灸の本で、「黄帝蝦蟇経」というすばらしい題名の本があるからです。今回は、長話をそうそうに切り上げて、次のページでその魅力を存分に堪能してください。 [ ⇒次を読む ] |